恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*



苦笑いした沢村が、またポスターに向う。


青い文字に黒いふちをつけていく沢村。

器用に書いていく手つきを見ると、得意だって言うのも本当だったらしい。


……一見、不器用っぽいのに。


「これ1枚作ったら、何枚かコピーすればいいよね?

で、学年ごとの階に2枚ずつくらい貼れば大丈夫かな」

「十分だろ、それで。

できたら俺がコピーしてくるから」


ポスター用紙を床に広げて、その上に座るようにして書いていた沢村が、クスっと笑う。

近くの机に座りながら見ていると、沢村が俺を見上げた。


「都築くんがこんなにちゃんと仕事してくれるとは思わなかった」


笑顔を向けた沢村が、黄色いペンに持ち替えながら続ける。


「なんか、生徒会きっかけに話す前は、軽い不良かと思ってたんだよね。

カッコつけてるっていうか。

授業とかたまにサボるし、なんか話しかけにくい感じだし。

でも、違うんだね」