少しの沈黙の後、切り出す。 「本宮。おまえ、本当に沢村の気持ちに向き合うつもりは、」 「―――尚哉」 「あ?」 「図書室は、あっちだろ」 本宮が、顎で方向を指しながら言う。 職員室に向かってる本宮は、階段を数段上ったところで、顔半分振り向く。 「じゃあ、ポスターよろしくな」 「……ああ」 笑顔を残してから、背中を向けた本宮。 後ろ姿を眺めてから、図書室に向った。