「あ、おはよー! 尚哉!」
生徒がぞくぞくと登校してくる中で、もう見えなくなった沢村の後ろ姿を眺めていると、急に香水臭くなる。
振り向くと、津田が満面の笑みを浮かべて見上げていた。
津田がまばたきをするたびに、明らかに長すぎるまつげがバチバチうるさい。
「今日の昼休み、ご飯一緒に食べようね」
これでもかってほど上目づかいで見上げてくる津田。
「昨日も食べたじゃん。今日はパス」
「え~、でも昨日、『明日も一緒に食べようね』って約束してくれたよ。
ね、食べようよ。席とっておくから」
「……あー」
渋々頷こうとしてから、さっきの沢村との会話を思い出す。
『今日の昼休みも行ってもいい?』
……別に俺がいなきゃなんねー理由もねーけど。



