恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*



そんな風に思いながら、下駄箱で上履きに履き替えていた時。

後ろから肩をポンと叩かれた。


「おはよー、都築くん」


振り向くと同時に笑顔で言われて戸惑う。

俺の肩を叩いていつも通り笑ってんのは、まぎれもなく沢村。


……全然凹んでねーし。


「……ああ」

「あれ? なんか、元気ない?」

「……おまえは元気だな」


呆れながら言うと、沢村がニコっと笑う。


「あたし、図太いから」

「あっそ」

「だから、都築くんも気にしないで」

「は?」


顔をしかめて聞き返すと、沢村は笑顔のまま俺を見上げた。