微笑みながら言うと、都築くんはわけが分からなそうに眉をしかめた。
そして、呆れたように笑う。
「まぁでも、無事でよかった」
ぎゅって抱き締められて、都築くんの香りがあたしの中に入り込む。
優しい腕に応えて都築くんの背中に手を回したところで、都築くんが言う。
「『他の事しよ……?』だっけ。
おまえが昨日俺を誤魔化したセリフ」
「えっ……、バレてたの?」
「当たり前だろ」
「じゃあなんで乗ってきたの?」
あたしが誤魔化そうとして、わざとそういう雰囲気に持ち込んだって分かってたなら、そんなの無視して問い詰めればよかったのに。
都築くんに抱き締められたまま答えを待ってると、身体を離される。
目の前に迫った都築くんを見ると、困ったような微笑みを浮かべていた。



