見上げると、都築くんがじっとあたしを見る。
一点の曇りもない眼差しに負けないように、あたしも目を逸らさずに見つめ返した。
「あたし、無理してるわけじゃないんだよ」
そう言うと、都築くんの眉間にわずかにシワが寄る。
だから、言い返される前に続けた。
「弱さを見せなくなったんじゃなくて……。
都築くんがいてくれるから、強くなれるだけなの。
泣く必要ないくらい、心強いだけ。
あたしがどうにもできなくなっても、都築くんがどうにかしてくれるって、信じてるから」
都築くんの顔が驚きに変わる。
そんな都築くんを、微笑みながら見つめた。
「都築くんが一緒にいてくれれば、あたしは多分、なんでも頑張れる。
だから……、無理して黙ってたんじゃないの。
それは本当だから、信じて。
でも、頼らなかった事はごめんなさい」



