「頑張って守りたかったんだもん……。
都築くんとの関係を」
じっと、都築くんを見上げながら言う。
放送室の壁にかけてある時計が、静かに時間を刻む。
都築くんは、あたしに負けないような強い眼差しで見ていた。
「俺との関係を守りたいのに、俺は部外者扱いっておかしいだろ」
「でもっ、」
「ふたりの問題だろ」
「そうだけど、ふたりでいる時は笑ってたくて……、それに、」
「この先ずっといい事ばっかが続くわけじゃねーだろ。
おまえは、この先、お互いが上っ面だけの付き合いしてけばいーと思ってんのか?」
「そうじゃなくて……、」
「―――俺は、唯の一部と付き合いたいわけじゃない。
唯の、全部が欲しい」
ハッキリ言われて、思わず黙る。
都築くんの真剣な目に射抜かれたみたいに、声がでなかった。



