「……うん」
コクンって頷いて、そのまま顔があげられなくなった。
都築くんが、あまりに真っ直ぐ見つめてくるから。
別に、黙ってたのが悪い事だとは思わない。
ちょっと嫌がらせされたからって簡単に都築くんを頼って守ってもらうような、そんな女にはなりたくないし。
自分で手に入れた恋なんだから、自分で守りたいし、守って当然だと思うし。
けど……。
「黙っててごめんなさい」
都築くんの心配してくれた気持ちを思うと、謝らずにはいられなかった。
あたしだって反対の事をされたらきっと、怒ると思うから。
床を見つめながら反省していると、都築くんの手が頬に触れる。
その手に促されるようにゆっくりと見上げると、都築くんと目が合った。
まだ、少し怒ってるみたいに見える。



