「だろうな」
声が聞こえてすぐ、資料室の方から物音がして……。
慌てて振り向いたあたしの目に映ったのは、紛れもなく、都築くんだった。
「つ、都築くん!
なんでここにいるの……?」
ポケットに片手を突っ込んだまま近づいてくる都築くんの顔は、少し怒ってるみたいに見える。
けど、都築くんの機嫌よりも。
なんでここにいるのかの方が気になって、ぼう然としたまま聞く。
「……まさか、こんなところで授業をサボって昼寝とかしてて、寝起きで機嫌が悪いとか?」
違うだろうなって思ったけど、他にここに居合わせてる理由が見つからない。
だって、こんなところに、なんで都築くんがいるの?



