「……なんで裏庭?」


いつの間に裏庭?

都築くんはなんで裏庭に?


両方の意味を込めて聞くと、都築くんは目を逸らす。


「別に」

「別にって、用事がなければこないでしょ? 裏庭。

……あ、もしかして呼び出されてるとか?」


ほとんど人が寄り付かない裏庭は、告白にはぴったりだし。

現に先輩だって、ここで告白されてたし。

だとしたら、あたし、ものすっごい邪魔者……。


まさかもう相手の女の子がきてたり?!


そう思って辺りをキョロキョロすると、都築くんが笑う。


「誰もこねーよ。大体俺、呼び出されたって行かねーし」

「え、なんで?」

「好きだとか、正面きって言ってくる女、苦手だから」

「あー……、分かった。

適当に遊びたい年頃だから、本気の子はイヤなんだ。

質より量、みたいな感じなんでしょ」

「言い方があるだろ」