恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*



ドアの向こうで、『こうなったのだって、自業自得だし!』って声の後、バタバタ走る足音が聞こえて、消えていった。

それをぼーっとした耳で聞いて……、床を見つめたまま呟く。


「やられた……」


頭をガックリ落として、じゅうたんみたいな造りの床を眺める。

放送室だから音の関係とかでこんな造りなんだろうけど……。


まぁでも、教室の床よりはマシかも。


半ば諦めてそんな事を考えながら、ポケットに手を入れる。

中にあるのは小銭入れ。

閉じ込められるかもしれないって知った日から持ち歩いてたモノ。


靴下に小銭を入れて振り回すと、車のドアでも割れるって聞いた事がある。

だから、体育倉庫でも物置でも、これで窓でも割って外に出る気でいたのに……。


まさか、3階に閉じ込められるなんて。