「なに? どうかした?」
はぁはぁ息を切らした女子に聞く。
……ここまで走ってきたのかな。
膝に両手をついて呼吸を整えた女子が、顔を上げて言う。
「うん。川原先生が、もうひとつ用があったから放送室に来いって」
「えー……」
どれだけ生徒をこき使うんだ、あの先生。
イヤな顔してため息をついたけど、それをこの子に言っても仕方ない事。
苦笑いしてお礼を言ってから、放送室に向かって歩き出す。
残り20分でもお昼食べる時間ギリギリなのに。
さすがにお昼抜かせるとかは、いきすぎた罰だと思うんだけど。
本宮先輩に言いつけてやろうかな。



