恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*



肩肘をつきながら黒板を眺める都築くんは、ペンを指先で遊ばせていて。

その横顔を見て、昨日のキスの事を思い出す。


キスと……、思い出すだけで恥ずかしくなるような、自分の小芝居を。


咄嗟に誤魔化したくて取った行動にしても、アレはない。

大体、色気自体がないのに色仕掛けって、ホント、ありえないし。


でも……。

結果的にはアレがうまくいったんだよね。なぜか。


都築くんなんて、今まで色んな子に誘われてそうだから、あんな、笑っちゃうような色仕掛けが通用するなんて思ってなかったのに。

あからさまに誤魔化しすぎてたし。


だから、まさかそれに都築くんが乗っかってきてくれるなんてびっくりだった。


もちろん、嬉しかったけど。


っていうか……、っていうか、っていうか!

『こんなテキトーな場所で、唯に触りたくねーからやめる』とか、超大事にされてるし!