【唯SIDE】



「あ」


生徒会室を出て、渡り廊下に差し掛かった時。

都築くんを見つけた。


会議が終わるなりさっさと出て行っちゃったから、とっくに帰ったかと思ってたのに。


近づくと、あたしに気付いた都築くんがこっちを見た。

見たっていうか……、見つめられてる?


睨まれてるの……?

そう勘違いするくらいに強い眼差しで見てくるから、ドギマギする。


「……なに? なんか睨んでる?」


びくびくしながら聞くと、都築くんは「……別に」なんて言いながら顔をぷいっと背けた。


都築くんも帰るみたいだから、必然的に玄関まで一緒で。

気まずさを感じながらも会話する事なく、玄関までの階段を下りる。