恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*



「そんなに緊張しないで。

都築くんと沢村さんが付き合ってる事ならあたしも納得してるし、文句を言うために呼び出したわけでもないから。

ひとつだけ、言っておきたい事があったの」


あたしの気持ちを読んだみたいに、佐藤さんが言う。

苦笑いだけど、優しく見える笑顔を見ると、本当にそうみたいだった。


「あ、うん。……ごめん」

「昨日の放課後、違うクラスの子が話してるの聞いたの。

“体育倉庫か裏庭の物置、どっちにする?”って楽しそうに相談してた」

「……それ、あたしに何か関係あるの?」


体育倉庫か裏庭の物置が、到底あたしと関係するモノには思えない。


軽く笑いながら聞き返すと、佐藤さんが深刻な顔をする。

唐突過ぎて冗談かとも思ったけど……、そうでもないみたいだった。