恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*



目の前にいるのは、佐藤さん。


あたしがまだ本宮先輩を追いかけていた頃、嫌がらせを受けたりはしたけど。

きちんと解決できたおかげで、変な雰囲気になったりはしてない。


それでも、佐藤さんが想い続けいてた都築くんと付き合ってるわけだから、少し気が引ける部分もあったり……。

それに、佐藤さんだって、きっぱり都築くんへの気持ちに決着がついてるにしても、やっぱり気に入らないだろうし。


“なんとなく、気まずい”

そう思ってるのは佐藤さんも同じみたいだったから、こうしてふたりきりで話す機会なんて、あれ以来なかったのに。


急に呼び出されたりした理由が分からなくて、ドキドキする。


体育館裏は、裏庭と雰囲気が似てる。

暑い風が、雑草をサワサワ揺らしてた。