恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*



そんな事を考えながら、角を曲がる。

曲がった途端人影が視界に入って、思わず壁に身を潜めた。


前を歩いているのが、文化祭実行委員してた先輩だったから。

黒髪ロングの。


長い黒髪を揺らしながら、先輩が入って行ったのは保健室。

あたしも今から行こうとしてたのに……、なんか行きにくいな。

けど、都築くんの様態も気になるし。


悩んだ挙句、保健室の前まで歩いてからそーっとドアを開けてみる。


さっき入ってったばっかりの先輩が寝てるわけないけど、もうベッドに入って寝入ってたらいいなーなんて事を期待して。

で、あたしに気付かなければいいなーなんて事も期待して。


でも、少しだけ開けたドアの隙間から中を覗いても、先輩の姿はなかった。