「ねぇ、先輩。
都築くんを選んだのも先輩なんですよね? なんでですか?」
西日の差し込む生徒会室。
まだイスに座ったまま聞くと、ホワイトボードの文字を消していた先輩が、首を傾げた。
「なんでって……、唯は不満?」
「都築くんの事、あまりよくは知らないから不満とかっていうんじゃないけど……。
ほら、あんまり集団行動とか好きそうに見えないから。
部活とかも入ってないし、ちょっとチャラってしてない?」
「チャラ?」
「チャラチャラまではいかないけど、ちょこっとだけそう見えなくもないって感じ」
説明すると、先輩が笑う。
そして、キュっキュ音を立てながらホワイトボードを真っ白にして、消しゴム代わりのスポンジをカタンと置いた。
「尚哉、中学ではバスケ部やってたんだ。
一時期、キャプテンとして、部を引っ張ってた」
「え……、っていうか、先輩と都築くんって同中なの?!」
びっくりしながら聞く。



