「あたしは、もう振られてるようなもんだもん。
どうせ振られるなら、少しでも先輩の役に立ちたい」
元カレと別れ話がこじれてケンカになった時。
殴られてるあたしに手を差し伸べてくれたのは、本宮先輩だった。
別れなくちゃ彼氏もあたしもダメになるって決めた別れ。
だけど、殴られて、必死にあたしを必要としてくれる彼氏を見て、気持ちが揺らいでた。
そんな時、先輩が助けてくれた。
背中を押してくれた。
『あたしが元カレのところに走り出さないように、見張ってて』
そんな無茶なお願いを、微笑んで聞いてくれた。
「元カレと別れたくても別れられないでいたあたしの背中を押してくれたのは、先輩だった。
だから……、今度はあたしが押す番。
―――やっぱり、先輩が好きだから」



