「でも……、」
「ほら、あたしも都築くんが好きみたいな演技して騙してたし。
ね、都築くん」
何度も謝るから、助けを求めて都築くんに話をふる。
都築くんは机に寄りかかりながらあたしを見ていた。
「演技してたのはおまえだけだけどな。俺は騙してねーし」
「……は? なにそれ。
都築くんだって佐藤さんひっかけるために演技して、あたしとベタベタしたりとか一緒に帰ったりとかして……、」
「―――都築くんは、演技なんかしてなかったよ」
振り向くと、頭を上げた佐藤さんが微笑む。
その顔にはまだ涙が残ってた。
「最初……、沢村さんの様子を見てて、演技かなって思った。
けど、都築くんのは演技に見えなかったから……。
だから、本当なんだって分かって、こんな事……」
「それって、どういう……、」
「ずっと、都築くんを見てきたから……。
都築くんが本気かどうか、見てすぐに分かった」
「……え?」



