「最初は、ただ好きなだけだったのに……。
いつの間に、こんな汚い感情ばっかりになっちゃったんだろ……。
こんな自分がイヤでイヤで……、でも、自分じゃ止められなくて……」
「佐藤さん……、」
「ずっと……、誰かに止めて欲しかった……。
ごめんなさい……っ」
「本当にごめんなさい」って言った佐藤さんが頭を下げる。
その様子をしばらく見て、ハっとして首を振った。
「もう、いいよ。終わった事だし。
気持ちが強すぎて、っていうのも、分かるし」
「でも……、お財布の事も文化祭の事も、今も。
ホントにひどい事しちゃったから。本当にごめん……」
「佐藤さんの気持ちも分かるから、もういいよ。
佐藤さんの立場からしたら、あたしの事気に入らなくて当然だもん。
おあいこって事にしようよ」



