「もう気付かれてると思うから言うけど……。
あたし……、中学の頃から都築くんが好きだったの。
だけど、勇気がなくて、いつも話しかけられなかった。
だから、高校に入ったら変わりたくて……、都築くんが話しかけてくれるような女の子になりたくて……」
いつか本宮先輩が言ってた事を思い出す。
中学までは真面目なタイプだった佐藤さんが、都築くんの目に映るために派手になったって。
やっぱり、その通りだったんだ。
「でも、変わったのは外見だけだった。
せっかく同じクラスになったのに、全然話せないし」
「……」
「ずっと……、好きだったのに。
その気持ちが、やきもちとか自己嫌悪で、どんどん変な方向に行っちゃって……。
嫌がらせとか、エスカレートしていっちゃって……、止められなかった」
佐藤さんは、涙ぐんでるみたいだった。
薄暗い教室の中で、佐藤さんの涙がキラキラ輝く。



