「別にいいもん。漢(おとこ)でもなんでも。
言ったじゃん。図太いんだって」
「でも、見てるこっちは気が気じゃねーからほどほどにしろ。
大体、女同士が殴りあいのケンカとかすんなよ」
「好きな人が関ると女は怖いんだよ」
「本宮かけたら肉弾戦とか余裕でしそーだよな、おまえ」
「―――え、」
都築くんが言った直後。
佐藤さんが声をもらした。
振り向くと、驚いた顔をした佐藤さんが都築くんを見ていた。
なんで驚いて……、あ、そっか。
都築くんがここにいる理由を、まだ話してなかったから戸惑ってるのかも。
都築くん、急に出てきたし。
そう思って「あ、ちゃんと説明するね」って切り出すと、佐藤さんがあたしを見た。



