佐藤さんが震える声で聞く。
しん、とした教室。
外から部活の音がわずかに聞こえてくる。
「お財布の事とか、文化祭の事とか。
佐藤さんがやった事だって分かってたけど、証拠が足りなかったから何も言えなかったんだ。
だから、今回こうしてハメさせてもらっちゃった。ごめんね」
「……どういう事?」
「都築くんとわざと仲良くして見せつけてたの。
そうすれば、やきもち焼いた佐藤さんが動くかと思って。
そのプリクラを取りに、あたしのロッカー見にくるだろうなって、ベランダで張ってたんだ」
「……」
「一応聞いてもいい?
……なんで、こういう事するの?」
佐藤さんの口から、ちゃんとした気持ちが聞きたくて聞く。
佐藤さんはぐっと押し黙った後、目を伏せたまま答えた。



