恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*



「さっき尚哉に会ったんだけど、あいつも切ったみたいで赤くなってた」

「えっ、都築くんに……っ」

「うん。どうかした?」

「あ、いえ! 奇遇だなって思って……」


一瞬焦ったけど、都築くんなら、昨日の事とかを先輩に言ったりしない。

そう思って、ドキドキしだした胸を落ち着かせた。


都築くんは、実は結構気を使うタイプだし、あたしが先輩の事好きなのを知ってるから、きっと言わない。


「唯、これから帰り?」

「はい。裏庭掃除だったんでちょっと時間かかっちゃって」


裏庭掃除は、他の場所に比べて時間がかかる。

っていうのも、ゴミの焼却炉があるから、色んなクラスの子が持ってくるゴミを焼却炉に入れて燃やしたりしないといけないから。


「だからこんなところにススつけてるのか」


ふっと笑った先輩が、あたしの肘のあたりを指差す。