「……ん、…っ」 都築くんのキスに、 都築くんの存在に、 酔わされてく。 「沢村……」 合間にささやかれる名前に、思考回路が溶かされそうになる。 ―――でも。 「……いって、」 覚悟を決めて都築くんの舌だか唇だかを噛むと、顔を歪めた都築くんが離れる。 口を押さえてる都築くんを見てから、あたしも自分の下唇を噛んだ。 「いったぁ……」 結構思いっきりいったせいで血の味がする。 痛くて思わず口を押さえたあたしを、都築くんは顔をしかめて見ていた。