「俺の事、男として見ろよ」

「……っ、」


ぼう然としたままの沢村から一度離れて、もう一度、唇を重ねる。

一度目のキスよりも、深く。


「…、……んぅ、や…っ」


付き合ってもいないし、しかも本気の恋愛しかできない女。


沢村にキスするのがどーいう事かは分かってたけど、止めなかった。

止めたくなかった。



俺の存在を、沢村の中に刻みつけたくて。



『次は落書きだよ。オレンジコーナーに移動してね』


アニメ声と、沢村のもらす吐息まじりの声が、真っ白な空間に響く。