「ロクな男好きにならないっつーか。

二股かけられたり、殴られたり。実際何人と付き合ったんだかは知らねーけど。

聞く噂全部、ダメ男ばっかり」

「全部って……つーか、中学だろ? そんな何人もいねーだろ。

沢村、遊びまわるタイプにも見えねーし」

「まぁ、2,3人ってトコじゃね?

全部、沢村は本気だったみたいだけど。

まぁ、高校入ってからは、そういう噂も聞かないけど」

「……へー」


本当にロクな男と付き合ってきてねーな。

しかも今は本宮だし。

振り向いてもらえる可能性が、この学校で1位2位を争うくらい低い男に片思いって。


やっぱ、男運ねーな。

つーか、見る目がないのか。


そんな事を思いながら、沢村に視線を移す。

楽しそうに笑いながら話してる沢村は、俺と松原の視線に気付く様子はなかった。