「さっきの事で……?」
「さっきの事って言えばそーだけど……。微妙に違う。
2時枠、結構反対の声があったのに、それをおまえが押し切って沢村に任せただろ?
だから、ドタキャンの知らせを聞いた時も、本宮の顔をつぶしたくないって、そればっかだったんだよ、あいつ」
「俺が判断した事なんだから、俺が責められるのは当たり前だろ。
……まぁ、そういう事気にするのも唯らしいけど」
「無事、2時枠が盛り上がった事とか、本宮の立場が守れた事。
それにホっとして、泣いてた。
おまえに迷惑がかからなくてよかったとか……、あいつ、ホント、イヤんなるくらいおまえの事ばっかなんだよ」
ポロポロ涙をこぼす沢村の姿が、瞼に張り付いてるみたいに頭から離れない。
思い出しただけで、エグられるみたいに胸んとこが痛くなる。
だけど、それは本宮のせいじゃない。
沢村の気持ちの問題だし、沢村と本宮、ふたりの間で納得できてるなら、俺が口出しする関係でもねーし。



