恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*



バンド名と内容は伏せたけど、2時の枠には“スペシャルゲストによる、ステージ”って書いてある。

それを楽しみにしてきてる生徒だってたくさんいるし、一般の人だっているのに……。


「っていうかさ、沢村さんが直接連絡取ればよかったんじゃないの?

全部、あたし達任せにしたりするから、こんな事になるんだし」

「え……、でも、あたしが連絡取るって言ったのに、『任せて』って言ったのは、津田さんと佐藤さんでしょ?」

「それにしたって、生徒会にも入ってないあたし達に任せっきりとか。

沢村さんこそ、無責任なんじゃない?」


話がおかしい。


今日になるまで、津田さんも佐藤さんも、むしろ自分から積極的に名乗り出て、連絡をしてくれてたのに。

それが、今になって急に……。


悪びれる様子を見せない佐藤さんを、じっと見つめた。


「もしかして……、最初からこうするつもりだった?」


そうとしか思えなくて聞く。

佐藤さんは、薄く笑ってから首を傾げた。