不思議に思いながら近づくうちに、副会長が話してる相手が、津田さんと佐藤さんだって事に気付いた。
「あ、沢村さん!」
副会長に助けを求めるように呼ばれて、緊張が走る。
よく見ると、周りには文化祭実行委員の人も何人か集まっていた。
「どうかしたんですか?」
「それがさ、バンドのメンバーが急に都合が悪くなったとか言って、ドタキャンしてきたんだよ」
「え……」
驚いて、津田さんを見る。
あたしの視線に気付いた津田さんは、バツが悪そうに目を逸らした。
「来れないらしいんだよね、メンバー全員」
言ったのは、津田さんの隣にいた佐藤さん。
「でも……、昨日も確認したよね?
その時は大丈夫だって言ってたのに、なんで……」
「なんでもなにも、来れないって言うんだから、しょうがないでしょ」
「しょうがないって……、パンフレットにも書いちゃってるし、そんな無責任な事……、」



