くるぶしくらいまである雑草を踏みつけながら近づくと、音に気付いた沢村がバっと勢いよく振り向いた。
そして俺を見るなり、驚いた顔をする。
「都築くん……、いたの?!
え、どこから見てた?!」
「沢村と本宮が話してるところ見ただけ。
つーか、聞かれて困るような事は話してなかっただろ」
沢村があまりに焦ってるから、軽くため息をついて言う。
「沢村が本宮を好きって事なら、別に言うつもりもないから」
つーか、あんな態度とってたら、誰でも気付くし黙ってる意味があんのかも分かんねーけど。
でも、とりあえずこう言っとけばいいんだろ。
気持ちがバレた事に焦ってると思ってそう言うと、沢村は納得いかなそうに口を尖らせた。



