恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*



「イヤミ、よく我慢したじゃん」

「イヤミ? ……あー、会議が始まる前のね。

っていうか、聞こえてたんだ」

「多分、おまえに聞かせるために言ったんだろ、あいつら。

あそこにいた生徒のほとんどに聞こえてたんじゃねーかってぐらいの声で話してたし」

「そうかなって思ってたけど」

「もしかしたらキレんじゃねーかなって思いながら見てたんだけど。

今日も津田にかみついてたし」


都築くんがイジワルな顔して笑いながら言うから、あたしも笑って返す。


「生徒会室じゃなかったら噛み付いたかもだけど」

「場所とか関係あんの?」

「だって、あたし、本宮先輩に選んでもらって生徒会にいるから。

あたしが問題起こしたりしたら、先輩の顔が潰れちゃうじゃん」


説明すると、都築くんが真面目な顔に変わる。

“信じられない”みたいな顔に。