「俺も、他の女子生徒が入ってくるよりも唯との方がやりやすいから」
「ほんと?! じゃあ、頑張るっ」
満面、笑顔になる沢村。
……もし、沢村が自分を好きだって分かった上で言ったんなら。
すげー計算男だろ。
中学ん時は、バカみたいに一直線だったのに……。
まぁ、俺が知ってんのは2年以上前の本宮だし。
色々……、本当に色々あったんだろうから、変わってても当たり前か。
『俺……、もうバスケできない。
ゴールどころか、何も見えない』
3年前の6月。
うなだれながらそう呟いた本宮の姿が思い出されて、少しだけ息苦しくなる。
“誰の告白も受け入れない”
その理由が、俺の予想通りなら。
本宮は、未だに引きずってる。



