俺が見たって、沢村が本宮を好きなのが分かるのに。
本宮は冗談として取ったのか、笑顔を返すだけだった。
“誰の告白も受け入れない”で有名な本宮が、なんですぐ断わらねーんだろ。
あんなあからさまな態度してんだから、気付いてないハズがないのに。
「俺、生徒会の集まりあるから行くけど」
「あ、先輩。さっき、生徒会の書記に決まったって、担任から言われました。
あたしを押してくれてありがとうございます!
先輩目当ての女子多そうだったから、ちょっと心配だったんだけど、安心しました」
「もし、今回の選挙が立候補制だったとしても、唯なら女子押さえつけて当選しそうだけどな」
明るく笑った沢村が、「任せてください」と力強く言う。
それを聞いた本宮は、同じように笑った後、沢村を見て微笑んだ。



