「いい加減気付きなよ!」
人混みをかきわけて屋上へと続く階段を上り終えると、優介先輩の声が聞こえた。
呆気にとられてしまった私は、しばらく茫然と立ち尽くしてしまった。
「…優介には、関係ないだろ…。ほっとけよ。」
「あるから言ってんだろ!なんで泣かせるって分かってるクセにあんなことすんだよ!」
「……。」
智晴先輩が、口元をシャツで拭いながら、優介先輩を睨む。
優介先輩も智晴先輩を睨みながら怒鳴った。
「お前の曖昧な態度が柚杞ちゃん傷つけてんだよ!」
「…曖昧な態度…?」
優介先輩の言葉を聞いて、一瞬、大きく目を見開く智晴先輩。
「そう。智晴は…誰が好きなの?…舞花、じゃないの?」
優介先輩はいつもの口調に戻って、落ち着いた声で智晴先輩に尋ねた。
「……」
智晴先輩は黙ったまんま。
その後、目を伏せて呟くように…
智晴先輩は言った。
「あぁ、俺が好きなのは…舞花だよ。」

