「ちょっとー。また後片付けサボって練習?」


不満そうな声が聞こえてきた。

そっちを見ると、モップを片手にカズミが睨んでいた。


「そういうわけじゃないよー。終わった後、ちゃんと私たち、モップかけてるし、ボール磨きもしてるよ。ね?ゆず」

「うん…」


サエに話を振られて、私は頷いた。

カズミだけじゃなくて、何人かも不満気にこちらを見ている。

私もサエも遊んでるわけじゃないのに…。


「ねー。たまには一緒に自主練しない?」

「自主練するほど暇じゃないの。家が近いわけじゃないんだから」


苛立った様にカズミは答えた。

確かに、私もサエも自転車通学だから、少々遅くまでやってたけど…。