「サエちゃんならきっとベンチ入りできるさ。俺が言うんだから、絶対」 「やだぁ。マサシ君、ゆずにそういう事は言ってあげないと!」 「葉村はまだまだこれからだからな」 彼氏の位置についたとたん、急に偉そうになった。 それが、彼なりの愛情表現なのかもしれないけど…。 「…はいはい、頑張りますよ」 私はそう言ってシュートを打った。 何千回も練習して打ったシュートは、正確に弧を描いてネットを通過する。 この感覚が私は好きだった。