なんか久坂さんに睨まれたけど。 「ありがとう久坂君。ちゃんと行くよ。 そうだ、菅野君、宵々山に行って来たらどうだい?」 「え……?」 *** 「はぐれんなよ」 「わかってる。」 祇園祭の宵々山、町の人々は昼間から賑わいがあって、露店なんかも出ている。 お祭りだなぁとは思うけど、 連れ出してくれた久坂さんの機嫌が悪い気がするし、私も気分はのっていない。 「……………」 「……………」 トボトボと歩きながら俯いた。 「なあ」 「なに」 「お前、なんでそんなに元気ないんだよ」