カラオケに行った時、トイレとかドリンクバーの帰り、自分の部屋どこだったか忘れることってないですか? ありますよね。 ただ今絶賛迷子中です! キラッとか言って。 戻るべき部屋を忘れた私は、廊下に並ぶ綺麗な襖を見ながら腕を組んだ。 ガラス張りでもないから見えないし 耳を頼るしかないか、と 思った部屋の襖に耳を傾けた。 「彼女の未来に帰る話しは……」 久坂さんの声だ! ビンゴ。とか思って戸口に手をかける 「利用価値のあるものを未来に帰すわけないさ」 だけどその手は、体は、一瞬で硬直した。