戦が始まるという実感すら沸かなかった。 それに戦って言えば、関ヶ原とか、うーんあと何だろう? でも広い所で一騎打ちするっていうイメージだから、 京の街中で戦なんて、考える事が出来ないでいる。 「私、こんなにのんびりしていていいのかな」 「俺も思うよソレ。京の人は戦を恐れて皆荷物まとめて今家を離れているらしいんだ。皆不安なのに」 平助君はグッと握り拳に力を入れていた。 きっと悔しいんだと思う。 「平助君は人思いのとっても優しい人ですね」 とってもそれって素敵だと思う。