「桃ちゃん!」 2階に上がると幾松さんが廊下にいた。 「幾松さん!」 斎藤さんの手から離れて幾松さんの元へと駆け寄る。 「久坂さんは?」 「………来たはらしまへん」 幾松さんは顔を背けた かばっているんだ桂さんを、久坂さんを、 「お願い、本当のことを教えて下さい!」 「……桃ちゃん…」 幾松さんは好きな人のためだけに身を捧げている。 だから何も答えてはくれないんだ。 だけど、 「幾松さん、私は、久坂さんが起こそうとしている戦を止めたいんです」