「せやったら今日はどしたんどす?」 沖田さんと私を交互に見ながら雪哉さんは首を傾げる。 「久坂さんに会いたいんです」 「久坂さんに!?」 私も沖田さんに続いて頷いた。 雪哉さんは渋い顔をして考えてるよう。まずかったかな? 「久坂さんは他のとこのお座敷に来たはるみたいどすけど、幾松さん姉さんも一緒なんどす」 「てことは桂さんも?」 「多分いはります」 それなら、ちょっとどころじゃなく大分行きにくい。 沖田さんと顔を見合わせると、沖田さんも少し表情を歪めていた。