嫌だよ。

気持ちが重いよ。

それでも、言えない、歴史を変えてはいけないから。


「……久坂さんの馬鹿馬鹿馬鹿!」


久坂さんを叩いて涙を拭った。

泣いちゃうなんて私も弱いなぁ


「桃、痛い」

「じゃあ降ろして下さい」

「降ろしたら逃げるだろう」

「逃げません」



久坂さんの目が私を写した



「言ったな」

「え」


ヒョイッと降ろされてバランスを崩しかけ、

「危なっ」

「ひゃあ」


なんとか久坂さんが私を支えてくれたその時、チャキッと刀の音がした。



「離れて下さい」