「嫌っ」 私には、 私、には、 側に居たい人がいる………! 「……他に好きなやつがいるのか?」 「…………!!」 沖田さん…… 沖田さん……っ わからない。本を取り戻しに来たのに、沖田さんの側に居たいって 確信してしまったみたい。 私、沖田さんの側にいたい! 「俺はお前をさらうよ。桃」 「えっ!きゃあ!」 ガッシリと抱き抱えられて私は悲鳴を上げた。 「本は残念ながら伏見稲荷に預けてるんだ」 「な、ずるい!てか降ろして下さい!」 ジタバタともがいても久坂さんは歩みを止めない。