土方さんの胸にぶつかる。 「……奴を知っているのか…?」 知ってるけれど、言えない。 「物騒なマネをするんじゃない、久坂君。 ……菅野桃君、そこにいるんだろう?」 ギュッと唇を噛み締めた。 もう、彼の元には戻りたくないんだ。 「……なぜこの女に執着する」 土方さんは彼等を睨みながら声を荒げる。 「なぜって……?」 「い、言わないで!」 「未来から来たりし先を知る少女だからだよ」 私は、土方さんの手を振り払って今来た道を走り出して逃げていた。 もう、新撰組にもいられない。