私の最悪の幼馴染。

「・・・彩子・・・」


いつもは決して呼ばないその名を、小さくつぶやく。


愛おしそうに、そして、切なそうに。


その名は、彼の胸をきりり、と痛めつける。


同時に甘さと苦さが、そこに存在した。


彼がカーテンを開け、窓を開けようと、鍵に手をかけると、


携帯のバイブ音が鳴り響く。


「彩子」の名前が画面に映った。


用件は知っている。昨日と同じ。


「分かったよ」


彼は鍵にかけていた手を下ろすと、


窓の方に向かって、小さくそう、言葉を零したのだった。