桜下心中

「こうしたかったんだ」


 西日が入ってオレンジ色の部屋で、圭太は佐恵を抱きしめた。

 目眩がする、圭太の口付け。膝から崩れ落ちそうになる。

「……おじいさんが見てるかも……」

 圭太の唇は、佐恵の額や頬や、首や耳、あちこちを這う。

 こういうことをするのは初めてだった。


 二人で過ごす部屋があるということは、自然とこういうことになるわけで。