隻眼金魚~きみがくれた祈りのキス~
恋愛(キケン・ダーク・不良)
完
0
- 作品番号
- 470226
- 最終更新
- 2019/02/27
- 総文字数
- 71,528
- ページ数
- 130ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 163,290
- いいね数
- 0
※掲載作品は編集前のものです。ご了承ください。
金魚に
赤い理由を聞いた
「恋をして泣きました」
ゆらりと
言った気がした
幼なじみの詩絵里と蓮。
心は求める、きみを。
片目が見えないわたしは、蓮を求める。
それが友情であっても、愛情であっても。
無くしそうになっても。
未来は、ふたりか、ひとりぼっちか。
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■「36度ヘヴン-君の隣が、俺の天国-」と
リンクする場面があります。
どちらを先に読んでも大丈夫です。■
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2010/09 公開・完結
■「Can*P」に掲載していただきました。
★レビューありがとうございました★
羽風俊治 様 / bikke 様
Min-Goo 様 / いいよ 様
真亜耶 様 / 雨宮れん 様
長月一花 様 / かな 様
詩羅 様 / 涼花.様
この作品のレビュー
幼い頃に、男の子のせいで怪我をした。右目が、見えなくなった女の子。 男と女になった。いまでも二人は、一緒にいる。罪悪感を、背負う。利用する。二人の間にあるものは。二人の、行き先は。 二度読みの作品です。一度浸かってしまったら、もう。背中がぞわり、心臓がどくり、切なくて悲しくて、でも愛おしい。黒い部分と、それに悩む「人間」を書き出すのが上手いこの作家さんだからこそ書ける。 人って、きれいなものだけで繋がっていられないね。依存、過去、いろんなもので引っ張り合う。相手が見えなくなる。自分の気持ちすら、塗り潰してわからなくなる。 でも。これが愛なんだって。知った瞬間、すべてが洗い流れていく気がしました。二人は、互いの枷なんかじゃない。翼を持ってる。二人で飛べるし、温めあえる。 自然に涙が出てしまった場面が、2つあります。どこに心を掴まれるか、ぜひ読んで、見つけてほしいです。
失いたくない、その一心で しがみついて、縛り付けて いつからこの想いが、まるで錘みたいになってしまったのだろう ただ、ただ、好きなだけなのに。 恋を恋として受け入れることが 受け入れてもらうことが ただ恋をするということが、むずかしくて。 まるで水中でもがいているみたいに苦しい 傍に居るのにいつもどこか寂しい。 文章から広がる世界観が、とにかく繊細で鮮やかで、ひきこまれました。 優しいのに痛々しくて、揺ぎないのに不安定で。 祈るように、読み続けたふたりの物語。 胸がぎゅっと捕まれる、美しい作品だと思いました。 それはまるで、水槽の中の金魚になって、ふたりの行く末を見守っているような。 この世界勘が、ふたりの赤が、今でも焼き付いて離れません。 ぜひ、ご一読
この作品の感想ノート
【レビューお礼】涼花.様
素敵なレビューをいただいきまして、ありがとうございました。
涼花.様がおっしゃるとおり、一筋縄ではいかないふたり、そして詩絵里の思いでした。
依存と狂愛、ですよね。
お互いに想いがあるのに、一緒に居るのに、添えないふたり。
それて自分にも置き換えられたりするかなと思っています。
強欲で強い思いの詩絵里は、蓮と離れたくなかったんです。
彼女にとって、おさななじみ、友達、恋。全部、すべてが蓮なんです。
金魚の赤はとても綺麗で、あんなに目立った色をしている。
見つけて欲しくて、恋で泣いて、赤い目のわたしが水槽に居るんだなって、感じて書いたお話でした。
ありがとうございました。
【レビューお礼】詩羅さま
このお話は野いちごで初めて書いた「携帯小説」です。
思いだけが先走っていたことを思い出します。
最近、加筆修正しました。
綺麗なことばっかりが人生じゃないし、恋でも愛でも、青春でも。まとめられた綺麗なことばかりじゃ済まされない。
苦しみや悲しみ、失敗などを全部自分のものとして進んでいくことは、勇気がいることだとは思います。でも、きっと、それって超えていけないことではないと思うんです。
この物語の2人に、思いを代弁させて、そして背負わせてしまいました。
でも、愛していますし、とても大切な作品です。
詩羅さまの心に、響いたのですたら、とても嬉しく思います。
心から、書いて良かったと思います。
【レビューお礼】かな さま
二度読みしていただいて、とても光栄です。
3年経って、加筆修正してみて、色々と勉強になりました。
書きたかったものだったし、読んでいただいて、伝わったんだなぁと思うと、とても書いて良かったと実感できます。
ありがとうございます。
きれいなものばかりじゃないって、大人になってくると分かるけど、でもそれだけに染まりたくないです。
足掻いてるから人なのかもしれない。だって、面倒だし流されてしまえば楽なんですもの。
足枷だと思っていたけど、求めて、絆だったんだと思います。
2人は、このままずっと一緒に居て欲しいと願っています。
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