「ここなら、ゆっくり過ごせる」 圭太の顔を、ぽかんと見た。ここにわたしが居て良いと? 「僕は学生だし、お金もあまり無いし、外だと佐恵ちゃんの体が心配だ。こんな部屋なら安心だろう?」 圭太の家で逢引きというわけにもいかないし、わたしの家にだって両親が居る。 偶然とはいえ、なんて嬉しいんだろう。